学習塾の選び方

 

「塾が多すぎてどこの塾に通えばよいのかわからない」

 

そんな方のために、塾の選び方をできるだけ客観的にアドバイスいたします。

①お子さまに合う塾の形態をチェック

 

クラス授業・個別指導をまずは選びます。

 

クラス授業では、できれば1クラス10名以内、個別指導であれば1:2までが目が行き届く範囲と考えます。

 

私にはクラス授業も個別指導も指導経験があります。

 

どちらにも「良さ」があります。

 

ただ、クラス授業で20名とか30名を同時に教えるのはほとんど不可能です。

 

なぜなら、それだけ人数がいると生徒間に学力差が発生するからです。

 

また、小学生や中学生の場合、よほどの上位クラスでない限り、授業が騒がしくなります。

 

次に、個別指導の場合も1:3以上の場合、一人ひとりに丁寧に解説をするのが難しくなります。

 

それでは個別指導の良さ自体がなくなってしまいます。

 

②授業と講師をチェック

これは難しい問題です。

 

どの塾にも良い講師(お子様に合う講師)・悪い講師(お子様に合わない講師)がいるからです。

 

また、お子様に合わなくても結果を出してくれる「良い講師」というものもいます。

 

一番良い方法は実際に「授業を見学してしまう」ことです。

 

 

体験授業を見てみる、複数の講師を見てみる、他の生徒さんへの授業を見てみることです。

 

なぜなら、体験のときだけ特別に扱っている可能性があるので、実際に入会している方の授業を見るのは有効です。

 

「子どもが気に入った塾に入れる」というのはある意味正しいのですが、どうしても「楽しさ」といった勉強に関係のない部分の比重が高くなってしまいます。

 

 

ですから、短い時間でもよいので実際に「保護者様の目線」で授業を見学されるとよいと思います。

 

③塾長(教室長)をチェック

 

体験時や入会時、あるいは進路面談などで塾長や教室長といった、責任者と話す機会があると思います。

 

「やたらたくさんの講座(コマ)をとるようにすすめてくる」場合は要注意です。

 

そのような塾長や教室長は会社からあたえられたノルマをこなすための営業マンです。

 

塾長(教室長)が営業マンではなく、教育者に見えればそれは本当の塾です。

 

塾長や教室長と話してみて「受験に関する幅広い知識」や「複数科目の幅広い知識」があるかどうかをチェックしてみましょう。

 

たとえば、異動してきたばかりで「地域の受験事情」にうとい責任者がいる場合があります。

 

受験資料を何も見ずに地域の受験事情をそらんじて言えるようでなければ責任者失格です。

 

また「科目間を横断する幅広い知識」がなければ、教室全体をマネジメントするのが難しくなってしまいます。

 

科目別にどのような勉強をするのか、どのようなカリキュラムで進めるのかを聞いてみるとよいかもしれません。

 

塾長や教室長といった責任者の資質は塾全体の総合力を大きく左右します。

 

④授業料をチェック

 

クラス授業であれば60分換算で800円~1500円が目安です。

 

個別指導であれば60分換算で2000円~4000円が目安です。

 

※毎月の月謝を月間の総時間数で割って求めてみてください。

 

「①塾の形態をチェック」でも書きましたが、クラス授業や個別指導で一度に教える人数が多すぎたり、映像教育などで単価を抑えている場合などに「安すぎる」授業料を提示している塾もあります。

 

このような場合「なぜそれほど安いのか」を見極める必要があります。

 

「安かろう悪かろう」の可能性があるからです。

 

次に上記に書いた価格を大幅に超えている場合も注意が必要です。

 

クラス授業で1コマが2000円を超えていたり、個別指導で1コマが5000円を超えているような場合です。

(難関校や医歯学系など特殊な受験対策はのぞく。教えられる講師自体が少ないため。)

 

そのような塾は「良い講師が揃っている」「価格や認知度が高いから安心感がある」と考える方もいらっしゃるかもしれません。

 

しかしながら、そのような高額塾の授業料はそれほど講師には還元されていません。

(さまざまなIR資料を調べましたが、せいぜい還元率は20%~30%です。)

 

本部へのロイヤリティや、大量のテレビCMや折込チラシ、駅前の好立地(家賃が高い)、など実際の授業のクオリティとは関係のないところにお金が使われているからです。

 

ただし、教育を「コスパ」だけで考えるのは危険なことです。

 

授業料に関しては、それぞれのご家庭で納得いく価格であればそれでよいと思います。